2016年11月27日 「光の中を歩もう」
2016年11月27日 「光の中を歩もう」
【聖 書】イザヤ書2章1~5節
【説 教】齋藤 朗子牧師
【説教要約】
11月26日(土)、映画「第九条」(監督・脚本 宮本正樹)上映会が教会でありました。憲法第九条は、戦後の日本にとって戦争の抑止力であり、法という枠を超えて平和への理念であり続けたと思います。現在、第九条に対する見解は多様化していますが、それでも積極的に戦争を望む人は滅多にいないのではないか、誰もが「平和が一番」と思っているのではないか、そんな希望的観測を抱きつつ映画を観終えました。
しかし、人類はただの一度も「非戦・平和」という希望を実現したことがありません。この事実は、人間の想いや知恵、力には限界があり、完全な世界平和を作り出すことは出来ないことの証明だと言えます。悲しいことですが、人間は不完全であり、だからこそ人間という存在に「完全な平和」の実現を託すことはできないのです。ならば、私たちは世界平和への願いを一体誰に託せばよいのでしょうか。一体何に希望を持てばよいのでしょうか。
イエス様は、ある夜、家畜小屋で、ろくな準備もない中で、弱く小さな赤ちゃんとしてお生まれになりました。人としてこの地に来られた神の御子は、第一の掟として「神と隣人を心から愛すること」を教えられ、この掟を基とした上で、さらに平和・和解を生み出す様々な方法を弟子たちに教えられました。それらの方法の特徴は「勝とうとしないこと(あえて負けること)」と「相手を圧倒する善をなすこと」です。イエス様ご自身もこのことを実践され、ご自分の反対者たちに手を上げず、罵倒せず、十字架に掛けられても罪人への赦しを神に乞い祈られました。十字架という弱さと惨めさの中で、イエス様は人類の罪を贖い、世界に決定的な平和をもたらすキリスト、救い主となられたのです。
私たちは、完全な平和への願いをイエス・キリストに託しましょう。キリストは平和の君として再び私たちの元へと来られます。その時を待つ間、私たちはイエス様が教えて下さった「平和の作り方」をこつこつと実践しつつ、平和の主への希望を世に伝え続けましょう。