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2016年12月25日「世界で一番貧しいクリスマス」

2016年12月25日「世界で一番貧しいクリスマス」

【聖 書】ルカによる福音書2章1~7節

【説 教】田代 孝一スタッフ

【説教要約】
 本日の聖書の箇所には、イエス様の誕生の様子が記されています。イエス様が誕生された時、ローマ帝国において、徴税の目的から第2回目の人口調査が行われました。人口調査のためにはいくつかの規定が定められており、その一つに、調査を受けるためには、それぞれの家系にそって調査を受けなければならないという規定がありました。
 そこで、ヨセフも自分の家系の地であるベツレヘムに戻らなければなりませんでした。今住んでいるナザレからベツレヘムまでは140キロもの道のりがあり、並大抵の距離ではありませんでした。しかもその時、妻のマリヤは身重でした。当時の旅の困難さについては、伝道者パウロがⅡコリント11章26節で詳しく記していますように、困難に困難を重ねる旅でした。ヨセフ一行はこのような困難を経て、やっとの思いでベツレヘムにたどり着きました。イエス様の誕生は、お生まれになられる前から苦難の道をたどられるものでした。
 やっとの思いでたどり着いたベツレヘムで、マリヤは月が満ちて出産しました。よそ者の彼らにとって、どこにも彼らの居場所はありませんでした。(居場所がないということは、人間にとって、どんなに悲しく辛いことでしょうか。)彼らの居場所は、悪臭と汚れに満ちた不衛生極まりない洞窟をくりぬいて作った家畜小屋しかありませんでした。そして、イエス様が寝かされたところも、家畜のよだれと臭いに満ちた飼葉おけの中でした。この世の王の王としてお生まれになられたイエス様は、人間以下の家畜同然の扱いを受けてお生まれになられました。まさに世界で一番貧しいクリスマスとなりました。
 父なる神は何故、このような場所をみ子イエス・キリストの誕生の場所とされたのでしょうか。しかし、ここにこそ神のみ心がありました。ルカ6章20節に「あなたがた貧しい人たちは幸いだ。神の国はあなたがたのものである」と記されていますように、神のみ心はこの世で貧しい人たち、さげすまれている人たちにあるということです。Ⅰペテロ5章5節に「あなたがたは、みな互いに謙遜を身につけなさい。神は高慢な者を敵とし、謙遜な者には恵みを与えられる」と明確に記されていますように、神が一番好まれない者は高慢な者だということです。自分を絶対化し、自己主張、自己正義を振りかざし、他者をさげすむ者に対して、神は敵対されるということです。
 イエス・キリスト自らが、貧しさの極みの中でこの世に誕生されたということは、私たち一人一人が自分を絶対化して生きるのではなく、いつも神様の前に謙遜になって生きるということです。
 今、時代は格差社会となり、混乱と混迷の中に向かって進んでいます。このような時代の中にあって、私たちはもうひとたび静まって、世界で一番貧しいクリスマスを通して、この世に来て下さったイエス様の誕生の意味を深くかみしめ、イエス様の前に謙遜になってへりくだり、互いに助け合い、ゆるし合い、愛し合って生きていきましょう。ここにこそ、神様が願っておられる本当のクリスマスがあるのです。のです。

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