2017年3月5日 「子ろばと主人」
2017年3月5日 「子ろばと主人」
【聖 書】ルカによる福音書19章28節~44節
【説 教】齋藤 朗子 牧師
【説教要約】
主イエスと弟子たちの群れは、エルサレム近くまでやってきました。この時、イエス様の周りには、数々の奇跡ゆえに神を賛美し、イエスを王と褒め称える弟子たちもいれば、イエスをメシアと認めない人々もいました。
その中を、イエス様は「子ろば」に乗って進みます。ゼカリヤ書9:9の預言にあるように、ろばに乗った王としてエルサレムに入るのです。
子ろばがイエス様のために用意された時、一つの不思議な出来事が起こりました。イエス様を乗せた子ろばは、ある村に住む「子ろばの持ち主」(33節)と呼ばれる人たちの所有物でした。つまり、子ろばの主人はこの人たちでした。ところが、イエスの弟子たちが「【主が】ご入用なのですから」と言って子ろばの紐をほどくと、子ろばの持ち主たちは、なぜかそのまま子ろばを弟子たちに委ねたのです。
この出来事を通して、「子ろばの持ち主」たちは、自分の子ろばの主人としての座を、真の主人であるイエス様に明け渡したと言えます。
すべてのものの主人は、父・子・聖霊なる神です。私たちが「持っているもの」、物もいのちも、すべては主のものであり、主が私たちに与え、また託してくださっているものです。ですから、私たちは「何か」や「誰か」の「主人」となるべきではありません。私たちが何かの「主人」になってしまうと、そこには貪り、争い、支配、抑圧など、様々な罪が生まれます。私たちは己の身分を「わきまえて」、すべてのものを、その主人たる神のご栄光のために用いましょう。そうする時、私たちは何ものからも自由になります。
「ろば」は愚かさや謙遜さを象徴する動物です。謙遜な子ろばは「主と共に」歩む幸いを得ます。イエス様と共に歩む道は、救いの道であり、自由と平和への道です。私たちも救い主イエス・キリストと共に、主の示す道を歩み続けましょう。