2020年10月4日「言葉のままに」
2020年10月4日「言葉のままに」
【聖 書】ローマの信徒への手紙10章5~13節
【説 教】牧師 齋藤 篤
【説教要約】
パウロによって綴られたこの聖書のことばは、神の御言葉である聖書が、わたしたちにとってどのような存在であるかについて語られたものです。
パウロはそのことを、自らのオリジナルの言葉として語っているわけではありません。彼は聖書を引用して、神が語られる「言葉のままに」、そのことを語ろうとしているのです。
1. 御言葉はあなたの近くにある
この「近い」という言葉は、かつてイスラエルの民が流浪の身にあったとき、指導者モーセによって「わたしが今日あなたに命じるこの戒めは難しすぎるものではなく、遠く及ばぬものでもない」(申30:11)、その後に語られた「御言葉はあなたのごく近くにあり、あなたの口と心にあるのだから、それを行うことができる」(30:14)という、神のことばに基づいています。わたしたちにとって、神のことばを遠く感じさせるものがあるとすれば、それは神のことばが難解なのではなく、複雑難解にさせてしまおうとする、わたしたちの心や口にあると言えるでしょう。
2. あなたの口、あなたの心に
神のことばがしみ込んだわたしたちの口(発言や行動)や心(思考や感情)は、神がわたしたちに望まれる平和、そして神の救いを満ちたらせる道具として用いられます。それが神の正義なのです。パウロは、一見熱心そうに見える人たちのなかには、「正しい認識」に基づかないで、自分にとって正しいかどうかという視点で、物事を判断し、行動しようとする人々について語っています(ロマ10:2-3)。ここで言う正しい認識とは、神の正しさが聖書のことばを通して、最終的にはイエス・キリストという救い主へ結びつくという知識です。イエスを知るために、わたしたちは聖書のことばに聴き続ける態度と実践が期待されているのです。