2022年8月21日「小さいころから神さまがいて」
2022年8月21日「小さいころから神さまがいて」
【聖 書】マルコによる福音書10章13節~16節
【説 教】林 巌雄牧師
【説教要旨】
「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである」(マルコ10:14)
神の国は子供たちのものである、とはどういう意味でしょうか。ふたつのことが考えられます。
ひとつは、神さまは子どもたちを受け入れてくださる、ということです。これは、弟子たちは妨げようとするのに、イエスさまは子どもたちを歓迎し、抱き上げて、手を置いて祝福したことに表現されているのではないでしょうか。
もうひとつは、子どもたちも神さまを受け入れるということです。大人はあれこれ心配します。自分の未来や人生を信頼していません。いつも不安です。
けれども、子どもたちは、お腹を空かせて泣いたり、何かを恐がったりすることはあっても、未来や人生に対する漠然とした不安などは持っていないのではないでしょうか。
誰かの手に抱かれている子どもは、その手を信頼して委ね切っているのではないでしょうか。赤ちゃんにとっては、自分を支えてくれるその手こそが世界のすべてであり、その意味では、世界に自分を委ね切っているのではないでしょうか。
世界に自分を委ねることは、神さまに自分をお委ねすることであり、それは、神さまを信頼することです。大人になって、子どもの時よりずっと長い単位で時間を、子どもの時よりずっと広い範囲で空間を、考えるようになり、わたしたちは不安を増してしまいます。
けれども、じつは、わたしたちが神さまとイエスさまに委ねることは、わたしたちが生きる時間と空間にわたしたちを委ねること、今自分を生かしてくださる永遠の命にわたしたちを委ねることではないでしょうか。
わたしたちが一番に委ねるべきお方はどなたでしょうか、わたしたちの根本の支えはどなたでしょうか。それは、神さまです。お金も、人間関係も、自分の能力も、一番ではなく、二番目以下の支えです。それらは大事ですが、たとえそれらが不足しても、たとえそれらがゼロになってしまっても、神さまは、どんなときでも、不足することなく、たしかにここにおられ、わたしたちを支えてくださいます。
自分のすべてを神さまの手に委ねる、子どもたちのあのすなおな姿をわたしたちは取り戻したいものです。
※説教動画はこちらから