2023年1月15日「根本の支えは神さま」
2023年1月15日「根本の支えは神さま」
【聖書】 ルカによる福音書5章1~11節
【説教】 林 巌雄牧師
【説教要旨】
「イエスはシモンに言われた。『恐れることはない。今から後、あなたは人間をとる漁師になる。』 そこで、彼らは舟を陸に引き上げ、すべてを捨ててイエスに従った。」(ルカ5:10-11)
「人間をとる漁師」とは、どんなことをするのでしょうか。この箇所の冒頭に「神の言葉を聞こうとして、群衆がイエスの周りに押し寄せて来た」(5:1)とあります。人びとが神さまの言葉を聞こうとしたのは、日常の不安、さらには、人生の根本的な不安を抱えていて、そこから救われる言葉を求めていたからではないでしょうか。
それにこたえてイエスさまが語った神の国や神さまの愛は、ようするに、神さまこそがわたしたちの人生の根本の支えである、ということではないでしょうか。わたしたちは神さま以外のものを自分の最大の支えにしようとしてしまいます。たとえば、お金、財産、体力、仕事などでの名誉、人間関係、人からの誉め言葉、点数としてあらわされるものなど。
もちろん、衣食住を保証してくれる適度な経済力、健康、健全な自己肯定感、家族や友達は必要です。けれども、それらを、神さまを超えるような自分の支えにしてしまい、それに執着すると、偶像崇拝になってしまいます。家族や友達はほんとうに大切です。しかし、神さまは万一家族や友達を失ったときもわたしたちの支えになってくださいますが、その反対ではありません。
シモン=ペトロらは「すべてを捨ててイエスに従った」とあります。わたしたちは全財産を売り払いお金を宗教団体に渡すなどということを強いられてはなりませんが、神さまを人生の根本の支えとしながら、信仰共同体を共に築き、支えて行きたいと思います。神さまこそがわたしたちの人生の根本の支えとなって下さる。ここに人びとを導く者、それが「人間をとる漁師」であり、教会ではないでしょうか。