2023年11月5日
2023年11月5日
また、「異邦人よ、主の民と共に喜べ」と言われ、更に、「すべての異邦人よ、主をたたえよ。すべての民は主を賛美せよ」と言われています。また、イザヤはこう言っています。「エッサイの根から芽が現れ、異邦人を治めるために立ち上がる。異邦人は彼に望みをかける」(ローマ15:10-12)
「異邦人よ、主の民と共に喜べ」とありますが、これは申命記32:43の「国々よ、主の民に喜びの声をあげよ」からパウロが引用したと思われます。また、「すべての異邦人よ、主をたたえよ。すべての民は主を賛美せよ」は、詩編117:1「すべての国よ、主を賛美せよ。すべての民よ、主をほめたたえよ」の引用でしょう。
ちなみに、この詩編の言葉は、ある讃美歌では、「すべての人よ、主をたたえよ」と歌われています。また、パイプオルガンなどに、これを意味するラテン語が記されていることがあります。
このようにしてみますと、「異邦人」という言葉には、いくつかの意味が感じ取れます。ひとつは、イスラエル、ユダヤ以外のもろもろの国の人びと、という意味です。つぎに、イスラエルの民から見れば、神を知らない人びと、神を信じない人びと、という含みがありそうです。さいごに、イスラエルの民もそれ以外の民も含む「すべての人びと」ということです。
わたしたちはどうでしょうか。まず、わたしたちはイスラエルの民ではありません。それから、わたしたちはかつては神さまを知らない生活をしていました。そして、わたしたちは「すべての人びと」に含まれます。
この意味で、わたしたちは「異邦人」です。そして、「共に喜べ」「主をたたえよ」「主を賛美せよ」と呼びかけられているのです。礼拝の賛美はこの呼びかけに促されるものだとも言えるでしょう。
なぜ、わたしたちは喜び、たたえ、賛美するのでしょうか。それは、「エッサイの根から芽が現れ、異邦人を治めるために立ち上がる。異邦人は彼に望みをかける」からです。つまり、肉によればエッサイの子孫であるイエス・キリストがわたしたちの王となってくださるからです。キリストはわたしたちの希望だからです。