2023年2月19日「神さまの食堂」
2023年2月19日「神さまの食堂」
【聖書】 ルカによる福音書9章10~17節
【説教】 林 巌雄牧師
【説教要旨】
ガリラヤとユダヤの小さな地方から少人数によって始まったキリスト教は、地中海沿岸地帯(今のトルコ、ギリシャ、イタリヤ、エジプトなど)に伝わり、さらには、今のフランス、ドイツなど、ヨーロッパ全体に広がりました。
その理由のひとつには、キリスト教会が貧しい人びとや病人、旅人をもてなしたことが考えられています。この「もてなす」という言葉は、現在の英語のホスピタル(病院)やホテルの語源でもあるようです。またこのもてなしは、神さまがわたしたち人間をもてなしてくださる、愛してくださることを示していました。
イエス・キリストの弟子たちは、そこにはほんの少しの食糧しかないから、外に買いに行かないと、集まった人びとをもてなせないと考えたようです。けれども、イエス・キリストは、他所から調達するのではなく、ここにあるもののゆたかさに気づいて、それをわかちあうことで、人びとをもてなす道を示されました。
弟子たちにとっては、「パン五つと魚二匹しか」でしたが、イエス・キリストにとっては、それは、「天を仰いで、賛美する」ほどの恵みだったのです。足りない、どこかから持ってこよう、とする前に、イエス・キリストは、今ここにある恵みに気づくように促してくださるのです。
わたしたちの教会には、今ここに何があるでしょうか。わたしたちはどうやって人びとをもてなすのでしょうか。ここには、神さまの愛があります。神さまの愛しかないのではなく、なんと驚くべきことに神さまの愛がゆたかにあるのです。ありあまるほどあるのです。
その愛をさまざまな方法でわかちあうことで、わたしたちは人びとをもてなしたいと思います。どんな方法があるか、ともに祈りつつ、ともに考えましょう。