2023年4月23日「岩の土台」
2023年4月23日「岩の土台」
【説教】 小林 清志執事
【聖書】 マタイによる福音書7章24~29節
【説教要旨】
岩の上に家を建てれば頑丈で、砂の上に家を建てれば嵐のときには流されてしまうということですが、家の土台は、私達が想像する以上に強固なもので、それは外見には現れていない部分がほとんどです。ですから自分がどんな土台の上に住んでいるのか、よく知っている人はおられないと思います。土台とは、深く掘り下げ、完成した建物の細部にまで計画されたように造っていくために、骨組みの頑丈に組み合わせ、折り曲げて強度を加え、さらにその強 度を加えた骨組みを組み合わせ頑丈のものに積み上げていくのです。
ですから、岩の上に家を建てるとは、見た目に惑わされない賢さが必要であり、地面を深く掘り下げる忍耐強さも求められます。そして、私たちの人生を「岩の上」に建てるとは、どこに土台を据えることなのか。主イエスは、「わたしのこれらの言葉を聞いて行う者は皆」とおっしゃって、ご自身を指し示されます。これは、主イエスのお言葉というだけでなく、主イエスご自身、神の言葉として遣わされたお方であり、その主イエス・キリストご自身に結び合わせられることにほかなりません。主イエスに結ばれ、このお方を土台としてこそ、どれほどの試練があろうとも、どれほどの嵐が襲ってこようとも、決して揺らぐことのない、倒れることのない人生を築き上げることができるのです。
なぜ、主イエス・キリストを土台とすれば、揺らぐことがないのか、倒れてしまうことがないのか。すなわち、天の御父は、人生に迷う私たちのために、ご自身の尊い独り子を与えて、十字架の死に引き渡してくださいました。主なる神は、この尊い御子イエス・キリストによって私たちを助けてくださいます。すなわち、十字架の死から復活されて、その復活の主イエスが私たちと共に歩んでくださいます。私たちを背負ってくださいます。主イエス・キリストを岩とする、土台とするとは、この十字架のキリストに背負われることにほかなりません。そして、主イエス・キリストにおいて示された神の愛、神の大きな愛こそが、私たちの人生を根底から支える力となります。神の愛こそが、私たちを力づけ、立ち上がらせる原動力です。